甲状腺機能低下症という病気をご存知でしょうか。
バセドウ病は聞いたことがあるかもしれませんが、簡単に説明するとバセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって起こる病気です。
甲状腺機能低下症は、それとは逆の病気で甲状腺ホルモンの分泌が少なくなることで発症します。
おもな症状としては疲れやすかったり、体が冷えたり、代謝が悪くなったり、脈が遅くなったり等々・・・。
自分が甲状腺機能低下症と分かったのは36歳の時でした。
その時、不妊治療を受けていた私は不妊検査の一環として甲状腺の検査を受けました。
全ての検査の中で唯一引っかかったのが甲状腺でした。
検査に引っかかるまで甲状腺という言葉すら初めて聞くような状態だった私は、先生から甲状腺の検査数値が基準値よりも高いことを告げられても何のことやらさっぱりわかりませんでした。
しかし紹介状を書いてもらい、甲状腺の専門病院へ通うようになってから、徐々に甲状腺の病気について知るようになり、状態が重い場合は不妊の原因になると言われました。
ただ、私の場合は「基準値よりも数値が若干高いだけなので薬を飲むほどではない。」と医師に言われ経過観察となったのは救いでした。
検査に引っかかった日から3ヵ月に1回のペースで定期的に通院し、数値が上がっていないか検査を受けるようになりました。
しかし歳のせいでしょうか。
自覚症状は無いのですが徐々に数値が悪化していったのです。
そしてとうとう「チラージン」という薬を飲むようになりました。
始めは1日おきに1錠飲んでいましたが、それから3年程たった頃には1日1錠飲むように医師から指示され、現在ではその倍の量のチラージンを服用しています。
残念ながら甲状腺機能低下症は治らない病気のようで、私はチラージンを死ぬまで一生飲み続けなければなりません。
10年前は健康のことなどさほど気にしていなかったのに、今では健康オタクと言っても良いような知識を持ち、健全な生活を送っています。
甲状腺機能低下症は薬を正しく服用し、定期的に検査を受けていれば怖い病気ではないと聞いたことがありますが私はそうは思いません。
どんな病気であっても病を患いながら生きていくということは多少なりとも心に不安を抱えながら人生を歩んんでいくということです。
生活を送る上でも少しづつ制限することがでてきて、どんな楽しい場面にいても、ふと影を落とす瞬間があったりします。
最近健康ブームと言われますが、本当に健康に勝る宝はありません。
病と上手に付き合いながら歩んでいくしかありませんね。